レトルト内閣代表作を完全リメイク
グレードアップしたキャスト陣
主演は大阪公務員漫才コンビとして注目を集める「安定志向」の福田恵。漫才コンビとしてメディアでも露出の多い彼女だが、そのキャリアは主に演劇で培った。主戦場で本領を発揮する。
また、近年のレトルト内閣作品では脇役としての出演が多かった座長・川内信弥がメインキャストに返り咲く。
前作「金色夜叉オルタナティブ」でヒロインを演じた初夏は2012年夏に柴幸男・三浦康嗣・白神ももこらによる音楽劇「ファンファーレ」のメインキャストして全国をめぐった。武者修行を終えレトルト内閣に復帰。
若手の代表・佐伯雄司も、自身のプロデュースユニット「集団&&&」を立ち上げ、2012年冬にはKIKIKIKIKIKIに出演するなど、劇団内外でパフォーマーとして目下躍進中!
ゲスト陣には、劇団子供鉅人から益山寛司、コントユニットかのうとおっさんの有北雅彦、嘉納みなこを迎える。
ヨーロッパでも高い評価を受け、注目度急上昇中の劇団子供鉅人。同劇団から、益山寛司を迎える。
細く長い身体に漂う透明感と、老若男女さらには人以外をも魅了しそうな妖しげで美しいイキモノ。そんなイメージがぴったりの、中性的な妖艶さが魅力。レトルト内閣作品のシンボルでもある「ハーフビューティー」をどのように表現するのか、期待が高まる。
一方、かのうとおっさんは、大阪を拠点に全国で活躍するコントユニット。あるときは「セクシー先生」あるときは「バラの妖精」など、ありえない設定でゆるゆると繰り広げられる名作コントの数々で、じわじわとファンを拡大している。計算してるのかしてないのか、ヤル気があるのかないのか、でももうほんと面白いから、いいか!という気持ちにさせるコントの名手。そんな卓越したお笑いセンスが、レトルト内閣のエレガンスロックとどう絡むのか、必見である。
さらに、新たな出会いを求めて出演者オーディションを行い、フレッシュなキャスト陣が揃った。
多数の応募の中から、個性派から実力派まで、魅力あふれる8名を新キャストとして選出。
演劇はもとより、声楽やお笑い、デザインやダンスなど、さまざまなジャンルで表現活動を行ってきたキャスト陣が加入し、作品の幅がより広がることが期待される。
エレガンスロック演劇 劇団レトルト内閣
劇団レトルト内閣〔げきだんれとるとないかく〕
華やかなのにダーク、B級なのに耽美という独自路線を開拓し続ける劇団レトルト内閣。その舞台はエンターテインメントでありながら、音楽から想起されるパフォーマンスアートとしても高評価を得る。
めまぐるしいほどスピーディーな展開に、オリジナル劇中歌、唐突に挿入されるシュールな笑いやキッチュなショーシーンが作品を彩り、エレガンスロック演劇という独自のジャンルを切り開く。
脚本/演出/音楽 三名刺繍〔みなししゅう〕
レトルト内閣全作品の脚本・演出・音楽を手掛ける。演劇と音楽に留まらず、映像や身体表現から影響を受け、パフォーマンス性の高いステージングを展開。
耽美と笑い、詩と音楽を自在に行き来するエンターテインメント空間を築く。
作曲家としての顔も持ち、バンド「白色テロル」を主宰する。
キタとミナミ OSAKA夜の街
ミナミの魅力?
そうね。ミナミは、とても情熱的なの。まるでスペインの男に抱かれているみたいなの、あなた知ってる?スペインの男。知らない、あそう。
情熱的といえばあそこよ、なんばグランド花月。あたしの初恋の彼は、島木譲二だったわ。あのラテンのリズム、しびれたわ。小学生時代、あたしの夢は、譲二の灰皿になることだった。
あれは小五の夏だった。灰皿にはなれないことに気づいたあたしは、譲二を忘れるために通天閣に登ったの。新世界の中心で、叫んだわ、かなわぬ愛を。帰りには食べた新世界名物の串カツは、二度づけなんかしてないのに、しょっぱくってしかたがなかった。
その帰り道よ。譲二でいっぱいだったあたしの世界に、あらたな王子が舞い降りたのは。道頓堀をとぼとぼ歩くあたしに、ネオンの光がきらめいた。見上げた先には、彼がいたわ。そうよ。グリコの王子よ。
それからあたし、心の恋人はずっと彼なの。そう、今日も彼が見守ってるわ。おやすみ、グリ男。
もう、社長さんたらスケベやわ!ええ、もちろんですわ、またのご来店心よりお待ち申し上げます。
え?何?キタの魅力?
そんなん、社長の数に決まってるやろ!夜の新地歩いてみ、ディズニーのパレードか思うくらい社長がぞろぞろ歩いとるわ。新地のネオンの下のあのパレードみたら、頭の中で出囃子が鳴って、出番や!て、もう条件反射。
あんた新地で飲んだことないん?やめとき、むしりとられるだけやで。あるところにはうちみたいなのがぞろぞろ集まってきて、骨までしゃぶるねん。面白そう?あほやなあんた、じゃ今から楽しいとこ連れてったろか?ええて。しゃぶりつくされてタク代までなくなったら、しょぼいJRの駅いったらええわ。しゃぶりつくされた酔っ払いが人生ごと落ちひんように、駅のホームに柵つけてくれたあるから。JRエエ仕事しよるわ、それが新地の最後の優しさや。
なんや、根性ないな、もう新地には懲り懲りって。ほな、次はミナミに三号店出しますさかい、そちらをご贔屓に頼みますわ。
大阪では、都心部を大きく二つに分けて「キタ」「ミナミ」と呼ぶ習わしがあります。これは路線や駅、市区町村の区分とは少し違ういわば文化の色分け的な俗称で、大阪人の日常会話において非常に多く使われるワードです。
ミナミ〔道頓堀・難波・千日前〕
「ミナミ」は、大阪府大阪市中央区と浪速区、西区にまたがる日本最大の面積を持つ繁華街の総称。なんばグランド花月やかに道楽、戎橋、グリコの看板など昔ながらの「大阪」のアイコンが建ち並び、心斎橋筋商店街を中心とする賑わいにはどこか懐かしさが感じられる。その一方でアメリカ村など大阪若者カルチャー発信の地という側面もあり、老若男女入り混じる雑多な人ごみの中に、温故知新の精神が息づく人情の街である。
倦怠アヴァンチュールに登場する胡蝶乱子・ロウズマリィ・エレガンス撫子・シュガーレス箕瑠九・カノンら5人のニューハーフ達は、ミナミのショーパブ「ノラ猫アイ」で日夜芸を磨いている。
キタ〔大阪駅・梅田駅周辺〕
「キタ」と言えば、主に大阪駅・梅田駅周辺を指す。中でも「北新地(きたしんち)」は大阪最大級の高級飲食店街の通称で、東京の銀座と並んで日本を代表する高級飲食店街である。「新地のホステス」「新地のクラブ」などと言い、「新地」という冠は大阪の夜の街のステータスとして広く認知されている。また梅田駅南東に位置する「堂山町」などは新宿二丁目のように特化はしていないと言うものの、日本国内有数のゲイ・タウンとしての顔も持ち合わせる。
大阪に馴染みの深い歌
BORO / 大阪で生まれた女(1979年) YOUTUBEで視聴
上田正樹 / 悲しい色やね(1982年) YOUTUBEで視聴
やしきたかじん / 東京(1993年) YOUTUBEで視聴
劇団レトルト内閣 第15回公演「哀願ソワレ」より / エレガンス撫子のテーマ(2009年) YOUTUBEで視聴