劇団レトルト内閣 【演劇・大阪】

謹賀新年

 あけましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中はひとかたならぬご愛顧を賜り、誠にありがとうございました。

 2016年は、劇団にとって15周年という節目の年でした。この年、私たちはひとつの挑戦をしました。
「革命少年」という公演、これは、脚本家の三名刺繍が「どうしても描きたい人物がいる」と提案した題材です。それは、在日コリアン二世である実在の起業家の波乱に満ちた人生を描くというものでした。

 劇団として、この題材を扱いきれるのか。当事者ではない私たちに、その背負ってきた重みや人生の苦みを表現することができるのか。また、実在の方をモデルにすることで、関係者やご家族の方に不快な思いをさせてしまうことはないのか。

 議論し、出した結論は、「三名刺繍の直感を信じよう」というものでした。
結果、公演は大変なご好評をいただき、実在の方をモデルに作品を紡ぐということについて、三名刺繍としても、劇団としても、確かな手ごたえをつかんだ公演となりました。

 作品づくりは毎回挑戦です。過去の公演で得た成功と経験を踏まえつつ、まったく同じことをするということはありません。
常に不安を抱えつつも、新たな作品づくりという旅に漕ぎ出すチームが劇団だと、15周年を越えてますます激しくなる変化と成長のさなか、私たちは考えるようになりました。

 「文明ノ獣」「まことに神の造りしをんな」「革命少年」・・・ここ最近の作品づくりで、私たちは確かな手ごたえを感じてきました。しかし、次回公演ではまたまったく新しい作品づくりという大海に漕ぎ出します。

 この3月には、アート館の名物企画「VIVA!ミュージックアート館2017」に参加するという挑戦が待っています。三名刺繍のオリジナル楽曲を主軸に作品づくりをしてきたレトルト内閣にとって、このような企画に呼んでいただけることは本当に光栄なことです。

 レトルト内閣はこの機会に、「サラリーマン音楽劇」というまったく新しい作品で臨みます。当劇団には、いわゆる社会人として勤めながら演劇を続けているメンバーもいます。また、演劇を離れた同世代の友人も、仕事の悩みで酒が飲める程度には、いい大人になってきました。世代としては、そういう歳なのでしょう。

 今しかできない表現という意味では、格好の題材なのではないかと、可能性を感じています。そんな日常の悩みを、レトルト内閣得意の音楽とショーで昇華する、新しいエンターテインメントの創作をめざします。

 挑戦を続ける劇団レトルト内閣。皆様、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2017年 元旦

劇団レトルト内閣座長 川内信弥

劇団レトルト内閣

関西学院大学の演劇サークルを母体として2001年に結成した劇団。座長は川内信弥、演出・脚本・音楽は三名刺繍が担当。ABCホール・HEP HALLなど大阪の劇場を中心に演劇の舞台公演を行っている。